そう,10年前。湾岸戦争の最中で,開催が危ぶまれていた,あの時の劇的な幕切れのタンパベイでのスーパーボールにもニューヨーク・ジャイアンツが出場していた。そういえば,10年前にコイントスを行ったのは,先日大統領になったブッシュ大統領の父親のジョージ・ブッシュだった。そして今年,ジャイアンツは,ボルチモア・レイブンスと,スーパーで,相対する。注目は,挫折の意味を知っているクォーターバック,2人だ。
アップル社のCEOスティーブ・ジョブズは社員に対し檄を飛ばした。同氏は,第2四半期(2001年1月〜3月)には,来週から出荷となるPowerBook G4と来月から種化される最上位機種のPowerMac G4によって黒字回復できると述べた。
今でも語り継がれる10年前のスーパー。その重要なキーマンの1人は,ジャイアンツのQBホステットラーだった。ずっと日陰を歩いてきた男。グッド・マンだが,ヒーローではない。プロでもずっとバックアップQBで,ジャイアンツでもスターであるエースQBフィル・シムズの陰で2番手3番手QBをさまよっていた。だが,スーパー直前で,シムズが怪我。ホステットラーがスターターとなった。そして,みんなが不安がった。ジャイアンツが負けたなら,やはりシムズがいなけりゃダメなんだと云われただろう。そしてまたホステットラーはスターの陰で暮らすのだろうと思っていた。だが…,残り4秒を残した相手チームのフィールド・ゴールが外れ,ホステットラーはスーパーウィンQBとなった。わずか1点差でジャイアンツが逃げ切った。
今年出場の2チームのQBもいわく付き。創立したばかりのカロライナ・パンサーズを率い,1流QBの名を得ながらも,ヘッドコーチやチームメイトと衝突し,アルコール中毒に陥ったニューヨーク・ジャイアンツのコリンズ。かたや,タンパベイ・バッカニアーズでやっと自分の居場所を獲得したかと思われたディルファーは,無難にチームを導きながらも,結局コントロールが悪い,詰めが甘い,勝負強さがないと非難を浴び,チームを追われた。もう引退かと思っていたところをボルチモア・レイブンスに拾われた。涙が出るほどに嬉しかったが,その涙が流れたのはスーパー進出を決めた勝利のあとだった。人目をはばからずにフィールドで泣き続けるディルファーに,仲間たちが肩に手をかけてくれた。彷徨った末,辿り着いたのは,この場所,だったのだ。そしてディルファーは,自分を追った地であるタンパベイで行われるスーパーに,レイブンスのエースQBとして舞い戻る。挫折を知る者2人がチームを率いる。それは,なによりも強いことだ。どん底からはい上がってきた2人のQBのように,アップルも道を歩む。スーパーボールは,日本時間の29日(月)朝に幕を開ける。
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